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ウェルシュ菌と来たらエンテロトキシン!大量調理で大鍋のまま室温放置で起きやすい
食生活アドバイザー3級試験の出題内容は、全部で6科目に分かれています。
内訳は、「ウェルネス上手になろう」「もてなし上手になろう」「買い物上手になろう」「段取り上手になろう」「生きかた上手になろう」「やりくり上手になろう」の6分野です。
今回解説するのは、食生活アドバイザー3級の4つ目の分野「段取り上手になろう」に関する練習問題です。
この記事で扱う問題は、公式テキストや過去問、各種食生活アドバイザーのテキストをもとに作った練習問題です。公式から出ているものではないことを、あらかじめご理解ください。
食生活アドバイザー3級解説「段取り上手になろう」第6問
「ウェルシュ菌」に関する記述として、もっとも不適当なものを選びなさい。
- ウェルシュ菌は、人の腸管内で「エンテロトキシン」という毒素を発生する「食品内毒素型」の食中毒である
- ウェルシュ菌による食中毒の予防ポイントの一つとして、前日調理を避け、大量に加熱調理した場合に室温で放置しないことが挙げられる
- 腹痛や下痢などの症状が出るが、嘔吐や発熱は少なく、食中毒の症状としては比較的軽い
- ウェルシュ菌は学校などで発生する集団食中毒の原因菌であるが、家庭での食中毒の発生件数は、集団給食を提供する施設に比べると少ない
- ウェルシュ菌は、人や動物の腸管、土壌に存在し、酸素を必要としない嫌気性芽胞菌である
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正解は「1」です。
選択肢2〜5はすべて○です。
食生活アドバイザー3級解説「段取り上手になろう」第6問
問題文1の解説
問題文1
ウェルシュ菌は、人の腸管内で「エンテロトキシン」という毒素を発生する「食品内毒素型」の食中毒である
この選択肢は「誤り」で、今回の正解の選択肢です。
ウェルシュ菌は、細菌による食中毒のうち「生体内毒素型」に分類されます。
生体内毒素型は、口の中に入った細菌が体の中(腸管内)で増え、毒素を産み出し食中毒を引き起こします。
食中毒菌に汚染された食品を食べ、さらにそれらが体の中で増えることで発症する「感染型」や、食品内で菌が増えるときに毒素を産みだし、その毒素を食品とともに食べることで発症する「食品内毒素型」となっていたら誤りです。
問題文2の解説
問題文2
ウェルシュ菌による食中毒の予防ポイントの一つとして、前日調理を避け、大量に加熱調理した場合に室温で放置しないことが挙げられる
この選択肢は「○」です。
ウェルシュ菌は、カレーやシチュー、グラタン、スープなどが原因食品となることが多く、食べる日の前の日に大量に加熱調理され、鍋など大きな容器のまま室温で保存されていた食品が原因となることが多いです。
室温で放置されている間に細菌の繁殖を進めてしまうため、調理したら早めに食べるようにしましょう。
どうしても保存しなければいけない場合は、小分けにして冷やしてから保存し、食事に出す前には十分に加熱するようにします。
問題文3の解説
問題文3
腹痛や下痢などの症状が出るが、嘔吐や発熱は少なく、食中毒の症状としては比較的軽い
この選択肢は「○」です。
感染したときに出る症状は、比較的軽いのが特徴です。
問題文4の解説
問題文4
ウェルシュ菌は学校などで発生する集団食中毒の原因菌であるが、家庭での食中毒の発生件数は、集団給食を提供する施設に比べると少ない
この選択肢は「○」です。
この文章の通りで、ウェルシュ菌は、学校など集団給食を提供する施設での食中毒が比較的多く見られます。
「家庭での食中毒も多数発生している」のように書かれていたら、誤りです。
問題文5の解説
問題文5
ウェルシュ菌は、人や動物の腸管や土壌に存在し、酸素を必要としない嫌気性芽胞菌である
この選択肢は「○」です。
嫌気性の細菌は、酸素を嫌い、酸素がないところで増える菌です。ウェルシュ菌は、ボツリヌス菌と同じように、酸素があるところでは繁殖しません。
ウェルシュ菌に関しては、「学校など集団給食で多く見られる」こと、「大量の加熱調理で大きな鍋のまま室温で放置」、「エントロトキシンという毒素が出る」の3つを優先して覚えておくと安心です。
大量調理のカレーをイメージしておきましょう。
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